当方、広島ファンです。
昨日、プロ野球のクライマックスシリーズで、セ・リーグ優勝チームの広島がDeNAに敗れ、日本シリーズ出場への道を閉ざされました。
ここでは、広島ファンとしての悲しみや怒りをぶつけようというわけではありません。
こういった勝負事から学ぶことは多いので、それを書き留めておこうと思います。
昨年の日本シリーズで、広島は2連勝のあと4連敗し、日本ハムに敗れました。
連敗後に、相手チームの栗山監督がなりふり構わず動き、その采配が見事にはまったと世間では評されていますね。一方、広島はというと「泰然自若」「シーズン通りの」動かざる采配を批判するような声が多かったような気がします。
そして、今年……。またもや似たような論調が見られます。
相手チームのラミレス監督のなりふり構わぬ攻めの采配が功を奏し、下剋上を成し遂げたと言われています。一方、広島は今年も「泰然自若」「シーズン通りの」采配が、勝利をつかみ取れなかった原因の一つと言われています。
さて、これは塾で「采配を振るう」僕らにとっても、非常に悩ましい問題です。
例えば、定期テスト前。
出題率の高そうな問題を狙い撃ちし、対策のプリントをつくって生徒に解かせます。
ただ、どんなにがんばっても作成者の先生でない限り「100%的中」なんてことは、普通に考えてありえません。
しかも、「目的」と「手段」を混同してしまう生徒は「予想問題」に依存しすぎて、それ以外の対策がおろそかになりがちです。
そうすると
「的中した問題」は解けるけれど、それ以外は解けない。
がんばったけれど、思うように解けなかった…… なんてことになりやすい。
じゃあ、何も策を講じずに、王道の対策(全範囲をしっかりと網羅させる)に舵を切ると、今度はそれが原因でうまくいかない生徒も出てくるわけです。
とにかく範囲をしぼって、「攻めの采配」でいくのは、勉強で言えばどちらかといえば「弱者の兵法」であり、今後訪れる入試などを考えると、決してほめられるような攻め方ではないと思います。
一方、王道中の王道を歩ませようとするのは「強者の兵法」であり、対応できる生徒と対応できない生徒に分かれます。
動いてうまくいけば評価され、動いたせいでうまくいかなければ責められる。
王道を貫いてうまくいけば評価され、王道を貫いたせいでうまくいかなければ責められる。
結局は「結果論」だということになりそうです。「勝てば官軍」ってやつですね。
こちらも生徒の学力に合わせ、入試に向けてはけっこうゲリラ戦術を使っていますが、
個人的には、余計な策に溺れず、王道を歩ませるのが好きです。
でも、生徒たちには「何もしないで失敗するぐらいなら、まちがえてもいいから動こう」と言うことも多いです。
動いて、失敗して、そこから何かを学ぶというのも大切です。
動くべきか、動かざるべきか、本当に深いテーマだと思います。
そして、来年こそは王道を貫いた上で……
広島が勝つことを希望します!(笑)