解きました。
いや、別にここで分析して何かなるわけではありませんが、趣味みたいなものです。
以下の視点で述べていきます。(今回はちょっと長いです)
● 1.難易度比較
● 2.入試問題解説
● 3.合格に必要な点数について
1.難易度比較について
ここ数年、開成中学の社会の入試問題は最難関校とは思えないほど解きやすく、凡ミスなど1問も許されないといったぐらいの入試問題が続いていました。
「70点満点」というテスト(中学入試になじみのない方だと半端に思えますね)で、62~63点ほど、問題数にして4~5問程度のミスしか許されない入試問題でした。
今年の入試問題に関しては、ここ数年と比較するとだいぶ難しくなったような気がします。
1/31(日)のエントリーでも記しましたが
入試本番、まったく見たことのない問題が出ることなどいくらでもあります。
そういった問題に対し、持っている知識を活用し、いかに正答に迫れるかが
カギを握っているのではないかと思います。
予告通りそんな問題が多くなりました。問題を知っていたわけじゃないんですけどね、長年のカンです(笑)
こういう問題が増えると「こんなの知らない」「難しすぎる」と思い込んでしまう生徒が多くなると予想できます。「反射的に」「ハッキリと」答えは出せない問題であっても、冷静に考えれば解けるという問題を着実にぶち抜いて突破してくるのが、合格の資格を持つ生徒だと思います。
2.入試問題解説
気になるところだけ、ご紹介していきます。
まず開成中学ではときどき見られる『東京問題』。いわゆる関西からの遠征組を一網打尽にするために出題されているとウワサされている問題ですね。
かつては「上野御徒町駅から大江戸線で都庁前駅にむかうには、何番線から乗ればよいか」(たしかH17年度)といった出題もありました。関東近郊にお住まいの方でも『そんなもん、知るかー!』とツッコミたくなりますよね。
今年度は、隅田川の花火大会やら築地市場といった有名どころに始まり、勝鬨橋、赤羽岩淵の岩淵水門など、関東地方の受験生でも少し苦戦するであろう問題が出題されています。
☆ 大問1/問2(3)
江戸の古地図を見ると、札幌ビールの工場があったところに「佐竹右京大夫」と書かれている。ここから、江戸時代には( )があったことがわかる。
一見「は?」と思える問題ですが、問題文の前後をよく読むと「明治時代になって不要となった跡地」というキーワードがあるため、参勤交代で大名たちが江戸の拠点としていた『大名屋敷』が正答となります。
☆ 大問1/問3⑤
洪水ハザードマップに記載しなくてよい事項は何か
ア:浸水の予想される範囲 イ:液状化現象に注意すべき地域
ウ:想定される浸水の深さ エ:避難場所や避難経路
ハザードマップは近年入試問題でよく見られますが、用語と役割だけ習っているケースが多いと思います。これも知らないと動揺してしまう可能性があるでしょう。ただ、問題には「洪水ハザードマップ」とあるので、地震による被害を記している『イ.』が正答となります。
☆ 大問1/問2(8)
1970年以降、勝鬨橋が開かれなくなった理由を2つ書きなさい。
そもそも中央が開いたり閉じたりする橋なんて、「こち亀」でも読んでないとなじみが薄いですよね。これも塾の教材でバッチリ対策が取れている可能性が低いと思います。ただ、自分の持っている「あたりまえの知識」をいかに活用するかが大切。電車の踏切と同じですね。「橋をひらいている間は車が通れない」→「渋滞が起きるのではないか」…… このように筋道を立てて考えられれば難しいことはありません。
もう一つの理由については、答えられないと合格に近づけないというわけではないと思うので、ここでは確実に一つ答えることが大事ですね。
上記のような「当然持ち合わせている知識」と「知識の活用」をもとに、答えられなさそうだけど「実は取れる!」という問題で少しでも多く正答を積み重ねていくことが合否を左右するのではないかと思います。
他にもありますが、いったんこのへんで。
3.合格に必要な点数について
大問1は、全36問。
配点はけっこう適当なんですが、比較的力量の問われる問2の小問群(9問)を2点、その他を1点と考えると……
◎ 必ずトル! 約23点分
△ 2問に1問トル! 約16点分 → 8点確保
× ステ問 約7点分
大問2は、全21問。
記述2題と、TPP関連の正誤問題を2点と考えると……
◎ 必ずトル! 約19点分
△ 2問に1問トル! 約5点分 → 3点確保
× ステ問 なし
想定としては、54点前後が合格者として妥当なラインではないでしょうか?
入試本番のさまざまな緊張、知識の運用ミス等も想定し、95%で計算すると51.3点ぐらい????
当たるも八卦、当たらぬも八卦(苦笑)
結果は 開成中学のホームページ にて!